« 欧米のクラウドTVサービス「Syncbak」と「Magine」 | トップページ | スマートテレビと4K »

2013年5月 4日 (土)

日本はなぜ全録機というハードウエアに向かおうとするのか

iPodが登場したのが2001年だった。その3年前の1998年にiPod+iTunesのエコシステムと同じ物をある会社に提案していたが、Appleのプランと決定的に違っていたのは、この時点で私は今で言うクラウド前提で考えていて、iPodみたいにハードディスクごと持ち歩くなんて思いもよらなかった。
20130504_83909

つまりあの時点でクラウドなんていうのは非現実的すぎたわけで、ビジネスが成功するかどうかなんてここの違いなわけである。この些細な違いがものすごく大きな差になる。実現できない、タイミングの合わないアイディアなんて何の価値もない。
ところでいま、テレビ番組全録機について注目が集まりつつある。iPod登場から12年だ。さてこのタイミングの全録機はどうあるべきなのだろうか。


最初のテレビ全録機は多分2003年頃、日本電算機の製品だったと思う。価格も個人が購入できるレベルのものではなかった。その後、順不同でバッファロー、ソニー、パナソニック、東芝あたりがいろんなタイミングで様々な製品を出してきた。


いま注目が集まっているのはガラポンTVSPIDERである。SPIDERは出る出る詐欺状態になっているのでおいておくとして、ガラポンTVはワンセグに特化した軽い製品だ。2003年時点からEPGとブログを組み合わせたようなテレビブログもあったが、要するに今で言うところのソーシャルネットワーク連携がこうした全録機では当然の流れとなっている。


これらは家庭内の端末側で全録を行う。タイムシフト視聴とプレイスシフト視聴はもちろん、全録したものを若干の遅延で、ほぼリアルタイム視聴も可能だ。メタデータ事業者から提供されるデーターを元に詳細検索も可能である。番組視聴のトリガーはこうした検索とTwitterからの共有などだ。全録自体は、実は何も生み出さないわけで、何も録画していないのと同じ事だ。録画されているという「状態」にカネを払うこともない。そこで視聴を促すこうしたトリガーが不可欠だ。ビジネスモデルは製品メーカの売り切り。テレビ局はこの仕組に何ら関与していないし、この状態のサービスではCMはほぼ無価値に近い。


これではビジネスとしては所詮マニアックなもので終わるのである。


そこで、TV局自ら主体的にこのサービスをすべてクラウド側に移行させるべきだ。専用ハードウエアはなしで、ブラウザベースのWEBアプリ化して無料配布。メタデータは局側の事前公式メタデータと、エム・データのような専門事業者による事後メタデータ、ソーシャルメタデータがAPIで公開されて、さまざまなコンテンツ視聴サービスが提供される。ここで生成されるプレイリストこそが「編成」であり、「CM線引」そのものなのである。ここで誰にも渡さない。


これはテレビ局と広告会社とクライアントが主体的に行うべきことである。
DVRヘビーユーザーはリアルタイム視聴も積極的に行うというのが事実であろうが関係はない。タイムシフト自体をリアルタイム化してしまえばいいだけのことなのである。テレビのクラウド化というのはこういうことのはずで、メリット以外に何があるのだろうか。


ガラポンTVでリアルタイム視聴が上がるなんてことを間接期待している時点で周回遅れである。



« 欧米のクラウドTVサービス「Syncbak」と「Magine」 | トップページ | スマートテレビと4K »

テレビ」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 日本はなぜ全録機というハードウエアに向かおうとするのか:

« 欧米のクラウドTVサービス「Syncbak」と「Magine」 | トップページ | スマートテレビと4K »

フォト

他のアカウント

無料ブログはココログ