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2014年1月18日 (土)

勝手メタと公式メタのトンネルが貫通したことの大きな意義

今週はテレビにとって素晴らしいニュースがありました。株式会社エム・データさんに民放キー局5局と広告会社電通博報堂2社が、第三者割当で資本参加します。

こちらがエム・データのリリースです。
エム・データの全身とも言うべき株式会社プロジェクトの設立が1987年、エム・データが2006年です。当初からテレビのモニタリングをしてテレビCMの出稿量をレポートしたり、その後は番組の詳細な放送内容を収集配信するという、いわゆる放送メタデータの先駆者であります。
今回のキー局と広告会社大手の資本参加は、本当に意義深いことであります。それはどういうことなのでしょうか。

当初は、プロジェクトもエム・データも、テレビ局から見ると厄介者というか、けしからん存在でした。局側の言い分は、「自分たちが放送した番組やCMの内容(その後この情報の事をメタデータと呼ぶようになります)を我々に断りもなく「勝手」に収集し、それで金儲けをしている」というわけです。この勝手という単語から、同社のことを「勝手メタ屋」と揶揄し、ひたすら煙たがったわけです。

言うまでもなく、(しかしそこが同社の圧倒的先進性だったわけですけど、)放送メタデータは極めて重要なものです。当初はテレビ局側も安定した放送収入を得られていました。つまり、視聴率は高くて安定しており、それを基準としてCMが高値で売れたわけです。ところが景気の停滞や後退、インターネットや録画機器に普及などなどによって、徐々に陰りが見られるようになります。そこでテレビ局は、いわゆる放送外収入獲得という外貨獲得のために、さまざまな努力を開始します。

だいたい2000年あたりから、テレビ局もメタデータの重要性を認識し始めるわけです。WEB上の番組表サービスを通じて視聴者が自宅の録画機器の制御を始めるようになったり、地上波デジタル放送でEPGサービスが提供できるようになったので、テレビ局も自らメタデータの充実を始めます。これは局が自ら制作、整備するメタデータなので、先ほどの「勝手メタ」に対して「公式メタ」と業界では呼ばれています。オモシロイのは、公式メタより勝手メタのほうが先に出来たということです。

エム・データの方々とは、私の前職時代からよくお話をさせてもらってきました。私は前職において、直接メタデータ部門には在籍していませんでしたが、その可能性と、何よりテレビ局側の言い分もよく理解できたので、これはなかなか一筋縄ではいかない議論で、それが根幹となるだろう新しい放送関連ビジネスの開花には相当時間を要するだろうとも思っていました。

その頃よく話していたのは、「トンネルを両側から掘って行くしか無いね」ということです。局側は公式側から掘り進め、第三者は勝手側から掘り進める。最初はそれが実は同じトンネルであることにお互いに気がついていなかったんですが、気がついたら同じトンネルであることに両者が気が付くだろう。そしてトンネルが貫通すれば、一気に新しい道が完成し、ヒト・モノ・カネが一気に動くと。

トンネル工事には10年以上の時間を要しました。大工事かつ難工事でした。でも完成しました。私には工事関係者の努力と歓声と、そして一気に光が指し、トンネルを素晴らしいの風が吹き抜けるのを感じています。

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