テレビ

2014年2月 3日 (月)

V-High放送の追加認定で地上波の4K化が絶たれた

先日締め切られたV-High放送の追加申請の結果が公表されました。申請を受け付けてしまった以上、今更なにか言っても始まりませんが、2つの点を指摘しておきたいと思います。

その1 余った8セグをどうするのか
下の図を見てください。これは総務省資料に私が追記したものです。事実しか書いてないのですけど、要するにV-High放送というのは、地デジ化で地上波テレビが全部UHF帯に移動してハイビジョン放送を始めたので、もともと使っていたVHF帯が空いたのです。(正確にはわあわざ膨大な税金をを使って空けたわけですけど)で、その時の約束は、アナログ放送の跡地(これをホワイトスペースと読んでいます)では「高機能な放送サービスを行う」はずでした。

そこで登場したのがNOTTVですが、NOTTVは13セグメントという電波の量(幅と行ってもいいですが)しか使っておらず、V-Highには33セグメント用意されたので、20セグメントは1年半以上使われていなかったわけです。なぜかって、ドコモ以外のケータイキャリアが参入しなかったからです。さすがに税金を使って空けた貴重な電波が、このまま使われないのはまずいということで、総務省は大急ぎで今回の再募集をしたわけです。

ところが、20セグメントの枠に対して、12セグメント分しか申請がありませんでした。ある程度予想されたことなので、総務省は参入しやすくなるために電波料を値下げしたり、(ここの表現は難しいのでツッコミ無用)、事実上プラットフォーム化させたり(ここもツッコミ御免)のですが、結局は8セグメント余りました。新規参入するスカパー!とフジテレビには、明確な理由がありますけどここでは書きません。

さあ、総務省は余った8セグをどうするつもりなんのでしょうか、非常に興味があります。

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その2 これで地上波で4Kは事実上放送できなくなった
私はアナログ跡地は全部4K放送を地上波がやればいいとずっと言ってきました。理由は簡単で、この周波数帯は帯域も狭く、波長も長いのでモバイル端末による高速データ通信にはそもそも向かないからです。また放送のようなサービスを進化させ続けるためには、ある日突然切り替えるのは不可能で、新しい場所で新サービスを開始しないといけないのです。つまりは、伊勢神宮みたいな式年遷宮方式がいいに決まってるわけです。これは先人の知恵ですよまさに。ホワイトスペースを使えば地上波局が4K放送を開始でき、(技術的にももう完全に見えているし韓国はそうしてる)一定期間のHDTVとのサイマルをすれば良い話だったのです。

中途半端に8セグ余らせるような免許を与えて、4Kも地上波で放送出来ない事になったわけで、一体誰得なのか私にはもうさっぱり訳がわからないわけです。今週の7日(金)に開催されるデジタル新年会には、総務省の南審議官も来られると聞いていますので、この話をしてみようと思います。

ともあれ、晴れてV-Highに参入される各局に於かれましては、普及拡大、より良いサービスのために、全身全霊で頑張っていただきたいと思います。

2014年1月28日 (火)

線でつながってることがデメリットになりかねないケーブルテレビ

ケーブルテレビはかつてニューメディアの雄でした。もう30年近く前に、都市型ケーブルテレビが開局し、多チャンネル放送が日本でも始まりました。1987年頃の話です。 ケーブルテレビはその名の通り有線テレビジョン放送で、線で繋がっていることで多チャンネルとか、双方向サービスが実現できることが最大の売りでした。

ところが、いまこれが劇的に変わるかもしれないと思い始めています。それは線で繋がっていることが足かせになる可能性があるのではないかと思うのです。理由は言うまでもなく、無線系の想像を超えた進化です。当時はいまのLTEなりWiMAXのようなものは全くの想定外でした。
引っ越しするとよくわかりますが、ケーブルテレビに加入しているとイロイロと面倒です。工事の手配や立ち会いなど、時間と手間とコストも掛かることが多いです。それに比べると無線系はどこに引っ越しても全く関係ありません。新聞を取らないとか、固定電話を引かないというのと同じです。そして無線系がどんどん有線系と同じくらいの速度を得られるようになり、さらに無線有利になっています。
ケーブルテレビはここをまず理解した上で、この先のサービスを考えないといけないのだと思います。固定回線のメリットを出せるのか、いっその事無線系に移行するということまで考えるのか。地域性や住民構成、持ち家比率など様々なことが関わりますから一概に言えませんけど、無線は固定を兼ねられるが、その逆はないことだけは事実です。

2014年1月18日 (土)

勝手メタと公式メタのトンネルが貫通したことの大きな意義

今週はテレビにとって素晴らしいニュースがありました。株式会社エム・データさんに民放キー局5局と広告会社電通博報堂2社が、第三者割当で資本参加します。

こちらがエム・データのリリースです。
エム・データの全身とも言うべき株式会社プロジェクトの設立が1987年、エム・データが2006年です。当初からテレビのモニタリングをしてテレビCMの出稿量をレポートしたり、その後は番組の詳細な放送内容を収集配信するという、いわゆる放送メタデータの先駆者であります。
今回のキー局と広告会社大手の資本参加は、本当に意義深いことであります。それはどういうことなのでしょうか。

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2014年1月11日 (土)

CES2014で思ったこと

CES2014に来て一番思ったことです。

会場には4Kの湾曲テレビがたくさんありまして、日本で受けるかはともかく、結構実際に見ると悪くはないんです。しかし、そういうことよりも今回大事だと思ったのがこの写真です。

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これは、ソニーの平井さんのキーノートの前に、CEA(全米家電協会)のシャピオ会長がCESのオープニングスピーチにおいて話した場面です。最近のイノベーティブな事例としてあげたのがこの3つ。Aereoはここに書いていますが、アメリカのテレビ局と係争中のサービスです。もう一つのUBERはとりあえずテレビ的には関係ないとして、dishもまたテレビ局と係争中なわけで、ここに記事を書きました。これらAereoとdishを革新的なサービスとして、CESのオープニングでCESの会長が好意的に紹介をしたわけです。

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2013年5月10日 (金)

なぜ放送系専門学校で講義をするのか

日本工学院八王子専門学校で「放送基礎」という講義を半期、担当させてもらうようになって3年目になります。きっかけは業界の仲間を通じての紹介でした。なぜ、センセイなのか、なぜ専門学校なのか。

これについては自分なりの思いがあるからです。



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2013年5月 7日 (火)

NABとかによくある無人ブースの謎

CESやNABのような展示会に行くと、ラスベガスで言うとサウスホールとかベネチアンとかヒルトンとかの1コマブースで、誰もいないブースをよく見かけたりしますよね。ブースには装飾は何もなく、社名のパネルだけがあり、パンフレットくらいが置いてあったり、時々暇そうに人が座ってたり、お客無視して弁当食ってたりするアレですよ。


NABで毎年2,30コマくらいはあるんじゃないですかね。で、これまでこういう無人コマは、直前になって何らかの理由で出展を取りやめちゃったんだろうなあとか、製品にトラブルがあったのかなあとか、ひょっとして潰れちゃったのかもなあとか、まああれこれ思いを巡らせていたわけです。


ところがですね、全然そうじゃないんですって。


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2013年5月 4日 (土)

日本はなぜ全録機というハードウエアに向かおうとするのか

iPodが登場したのが2001年だった。その3年前の1998年にiPod+iTunesのエコシステムと同じ物をある会社に提案していたが、Appleのプランと決定的に違っていたのは、この時点で私は今で言うクラウド前提で考えていて、iPodみたいにハードディスクごと持ち歩くなんて思いもよらなかった。
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つまりあの時点でクラウドなんていうのは非現実的すぎたわけで、ビジネスが成功するかどうかなんてここの違いなわけである。この些細な違いがものすごく大きな差になる。実現できない、タイミングの合わないアイディアなんて何の価値もない。
ところでいま、テレビ番組全録機について注目が集まりつつある。iPod登場から12年だ。さてこのタイミングの全録機はどうあるべきなのだろうか。


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2013年4月28日 (日)

身近で起きたテレビ番組の取材に関する話

うちの母方の実家の鰻屋はちょっと前に 「モヤモヤさまぁず」というテレビ番組に出てたわけですが、その後日談を聞きました。ハッキリ言って4代続く地元では超有名店です。


まず基本的に過去に懲りているので取材は拒否なんだそうですけど、あの時は市役所の観光課からどうしてもという依頼があり、まあ田舎ですから拒否はできなかったんだそうです。そうしたら案の定、3ヶ月くらいはお客さんが増えたそうですけど、その後は常連が減っちゃったと。おまけに別のテレビ局(どこのどの番組だか聞いたけど、まあここには書きませんけど)が、その3ヶ月後くらいを見計らってやって来て、「宣伝になるから20万払えばうちの番組で紹介してやる」と言ってきたそうです。


なんか情けない話ですね。その20万円は局に本当に支払われるんですかね。チクらないけどね。

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2013年4月22日 (月)

V-Highの波長が1.5mであるということはどういうことか

多額の税金を投じて「こじ開けた」のが、いわゆるアナログ放送の跡地であるホワイトスペースです。周波数帯的には90Mhz-222Mhz。かつてのチャンネル番号で言うと、1から12チャンネルです。


ここを有効に使うため、という大義によって、地上波デジタル化は完了したわけです。さて、その跡地の利用状況はどうなっているのでしょうか。

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2013年4月16日 (火)

「女信長」の低視聴率についての分析の必要性

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フジテレビの「女信長」の視聴率のことが結構気になっています。わたしは番宣のためのデジタルサイネージの取り組みが面白かったりとか、結構面白そうだなあと思っていたのです。しかし視聴率は5日が8.9%、6日が8.7%と聞き、 正直驚いたと同時に、これはきちんと分析する必要があると思ったわけです。

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